2014年05月27日

公益法人への寄附の取扱いについて教えてください。

個人が土地や建物などの資産を法人へ贈与(寄附)したときには、これらの資産は寄附したときの価額(時価)で譲渡があったものとみなされます。そのため、これらの資産を得たときから寄附したときまでの値上がり益に所得税が課されることになります。例えば個人が1000万円で買った時価1億円の土地を法人に寄付するときには、これに所得税がかかるとは普通考えることはできませんが、税金の計算上では一度法人等に時価1億円で土地を売り、その売却代金を法人に対して寄附したとみなされてしまいます。よってこのときにかかる税金は、{(1億円-1000万円)×20%}で約1800万円ということになります(復興特別所得税を考慮しない場合)。
 ただしこれらの資産を、公益法人等{公益社団法人、公益財団法人、特定一般法人(法人税法に掲げる一定要件を満たす法人)およびその他の公益を目的としている事業をおこなう法人(社会福祉法人、学校法人など)}に寄付したとき、その寄付が一定の要件を満たしている(文化の向上、教育や科学の振興、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄附することなど)ものとして国税庁長官の承認をうけたときは、この所得税について課税をされないという制度があります。なお、国税庁長官の承認には下記のすべての要件を満たす寄附でなければならないという決まりがあります。
 (1)寄附が教育や文化の向上、科学の振興、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄附すること
 (2)寄附により寄附した人の所得税の負担を不当に減らすまたは寄付した人の親族その他これらの人と特別の関係の人の相続税や贈与税の負担を不当に減らす結果とならないこと
 (3)寄附財産がその寄付日から2年以内に寄付をうけた法人の公益を目的とする事業の用に直接供されること
非課税の承認をうけたときであっても次の(1)~(3)にあてはまるときは、国税庁長官はその非課税の承認の取り消しができるとされています。
(1)寄附財産が寄附のあった日から2年を経る日までの間に公益法人等の公益目的事業の目的に直接供されなくなったとき
(2)寄附した人の所得税の負担を不当に減らすまたは寄付した人の親族その他これらの人と特別の関係の人の相続税や贈与税の負担を不当に減らす結果となるときにあてはまるとき
(3)寄附した財産が公益法人等の公益目的事業の用に直接供されなくなったとき
下記は寄附財産が公益法人等の公益目的事業の用に、直接供されなくなったときの例になります。
 (1)公益法人等が寄附財産を譲渡してその譲渡代金の全額を事業費として費消したとき{一定の要件のもと譲渡した際は、その譲渡代金の全額をもって譲渡した寄附財産と同種の資産(買換資産)を得たときに限ってその買換資産を寄附財産とみなして承認を継続}
 (2)公益法人等が寄附財産を職員のための宿舎や保育所などの福利厚生施設として使ったとき
 (3)公益法人等が寄附財産(土地)を有料駐車場として使ったとき
所得税や相続税、贈与税の負担を不当に減らす結果となるときに、公益法人等が寄附した人、又はその親族などに下記の行為をするまたは行為をすると認められるときの例になります。
 (1)公益法人等がほかの従業員に比べ正当な理由もなく過大な給料等を支払っているとき
 (2)公益法人等が有する財産を無償もしくは著しく低い価額で譲渡したとき
 (3)公益法人等が有する施設を私事のために使っているとき
非課税の承認の取り消しがあったときには、上記(1)~(3)にあてはまる区分ごとに、それぞれ下記の人に対して原則的に、非課税承認の取り消された日の属する年の所得として所得税が課されることになります。
 (1)にあてはまるとき
  →寄附した人に所得税が課されます。
 (2)にあてはまるとき
  →寄附財産が公益法人等の公益目的事業の用に直接供される前にあてはまる場合は寄附した人に、直接供された後にあてはまった場合は公益法人等に所得税が課税されます。
 (3)にあてはまるとき
  →公益法人等に所得税が課されます。

なお、国税庁長官の承認を受けようとする人は、寄附した人が所得税の納税地の所轄税務署長に対し、寄附日から4か月以内に一定の承認申請書を提出しなければなりません。
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2014年03月28日

被災市街地復興土地区画整理事業等にかかる特例とはどういったものですか?

 下記のいずれかのケースにあてはまる場合には、代替資産を得た場合の課税の特例、又は5000万円特別控除の適用をうけることができることとなっております。
 (1)地方公共団体等が、都市再開発法による第二種市街地再開発事業の施行区域内にある土地等においてその事業の用に供するために、これらの者等に買い取られ対価を得るとき。
 (2)地方公共団体等が、被災市街地復興土地区画整理事業で減価補償金を交付すべきこととなっている区域内にある土地等について、公共施設の整備改善に関する事業の用に供するためにこれらの者等に買い取られ対価を得るとき。
また、特定住宅被災市町村の区域内の土地等が平成23年12月14日~平成28年3月31日までに、地方公共団体等に買い取られてしまう場合には、2000万円特別控除の適用をうけることができることとなっております。
 下記のケースに当てはまる場合には、1500万円の特別控除をうけることができることとなっております。(2000万円特別控除の適用をうけるときを除く)。
 (1)公営住宅等の用に供するための保留地が決められたことに伴って、換地処分によりその土地等のうちその保留地の対価の額に応じる部分の譲渡があったとき。
 (2)建築物の建築等の不許可に伴って買取り申出にかかる土地が買い取られるとき。
所有期間5年超の下記に記している土地等を譲渡したと場合に、その譲渡した土地等が下記に記している事業の用に供するものである場合には、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の軽減税率の特例(2000万円以下の部分について所得税10%、住民税4%)の適用をうけることができることとなっております。
 (1)特定住宅被災市町村の区域内にある土地等/都市再開発法による第二種市街地再開発事業
 (2)特定被災市街地復興推進地域内にある土地等/被災市街地復興土地区画整理事業
さらに、被災市街地復興土地区画整理事業が施行された場合に、その土地等にかかる換地処分により一定の代替住宅等を得た場合には、譲渡所得の課税上、その換地処分により譲渡した土地等の譲渡はなかったものとなるので、取得価額の引継ぎによって課税の繰延べがおこなわれることになります。なお、上記のような特例の適用をするためには、これらの特例の適用をうけるという旨を確定申告書に記して、それぞれの特例に応じ、一定の書類を添付する必要があります。
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2013年12月03日

医療法人の事業承継について教えてください。

医療法人の出資は、原則として一般の非上場株式と同様の方法で評価します。医療法人は収益性が高く、その出資の評価額は高額になりがちです。出資者全員が持分の放棄をして「持分の定めのない社団医療法人」へ移行すれば、医療法人の出資は相続税の対象にならなくなります。したがって、円滑な事業承継のためには、「持分の定めのない社団医療法人」への移行も検討するといいと思われます。

1.医療法人の類型と財産権
 平成19年の医療法改正において、平成19年4月1日以降に設立が認められる医療法人は「社会医療法人」、「財産医療法人」、「持分の定めのない社団医療法人」に限られることとされました。これらの医療法人には出資という概念がなく、相続等に当たっての財産評価は不要です。
 一方、従前の「持分の定めのある社団医療法人」は、新設することは不可能ですが、「経過措置型医療法人」として当分の間、存続が認められています。「持分の定めのある医療法人」は、相続等に当たってその「出資」の評価をしなければなりません。

2.医療法人の出資の特徴
 (1)評価方法
  医療法人の出資は、財産評価基本通達に基づいて、非上場株式と同様の方法によって評価するのが原則です。ただし、医療法人には配当が認められていませんので、類似業種比準方式を採用するときには配当を考慮せず、「利益」と「純資産」の2要素を基に計算を行います。
  なお、配当還元方式は適用されません。
 
 (2)相続に伴う金庫株の特例の適用なし
  非上場株式をその発行会社へ譲渡(金庫株)すれば、譲渡者に対して「みなし配当」として課税されますが、相続後の一定の譲渡についてはみなし配当課税が行われない特例が存在します。
  医療法人には、自己の出資を買取るという考え方は存在しませんが、出資者は一定の場合に出資の払い戻しを受けることが可能です。しかしながら、医療法人については上記の金庫株の特例は適用されません。払い戻しを受ける人にはみなし配当課税が行われ、所得税等の負担が大きくなる可能性があります。

 (3)物納不可
  非上場株式は、一定の要件を満たすことにより物納することができますが、医療法人の出資は物納対象財産となっていませんので、物納することは不可能です。

 (4)事業承継税制対象外
  医療法人の出資は、事業承継税制の対象となっていませんので、相続税や贈与税の納税猶予を受けられません。

3.「持分の定めのない社団医療法人」への移行
 「持分の定めのある社団医療法人」から「持分の定めのない社団医療法人」へ移行するためには、
医療法人の定款を変更する必要があります。具体的には、持分についての規定を削除し、解散時の残
余財産が国等へ帰属するように変更します。
 「持分の定めのない社団医療法人」へ移行すると、その出資は相続税の対象とはならないことになります。ただし、一旦「持分の定めのない社団医療法人」へ移行した後で「持分の定めのある社団医療法人」へ戻るということは不可能ですので、移行については慎重に判断しなければなりません。
posted by 事業承継 at 09:55| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

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